ナビゲーション革命

僕はよく企業や映画などのキャンペーン用の特設WEBサイトを作る仕事を生業としているんですけど、そこで比較的多いのが「トップページに(キャラクターなどの)部屋を模した絵を(比較的広い面積で)設置して、その部屋のパーツをクリックしたらページに飛ぶようにしよう」というナビゲーションをよく作ることです。

例えば部屋の絵の中のTVをクリックするとCMギャラリーのページに移動するですとか、本棚をクリックすると資料集のページに移動するですとか、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないかと思います。

僕はこのナビゲーションに以前から疑問を持っていて、「TVの絵を押したからCM、本棚だから資料集」っていうのは作ってる方は理解しているけど、見てる方は全然意味分からないんじゃないか、そもそもそれ以前に部屋の絵の一部がクリックできて、そしたら他のページに移動するってことが伝わってないんじゃないか、そういう心配がぬぐえないでいます。

だいたいは部屋の画像とは別にメニューを用意して、そこからもアクセス出来るように、ということで落ち着くんですが
「えっ、メニューがあるならじゃあ部屋からのナビゲーションっていらないじゃん」という、そもそもの根底から覆される疑問を残してしまいまして、そういうこともあってキャンペーンの企画の最初からある程度の権限を持って関わらせて頂く案件には、この若輩者で弱小のプロダクションといえどもなるべく積極的に変わりになるようなトップページのナビゲーションを提案させてもらっています。

で、最近思うのが、「そもそもトップページからのナビゲーションって本当に必要なん?」というWEB始まってからの常識を覆す疑問を持ち始めています。
モチのロン、トップからのナビゲーションは必ず必要です。それがなければただのデッドリンクですし、10年前のアングラサイトの宝探しと変わりありません。
WEBのデザインで一番気をつけなければいけないのは「面積」だと思っているので、正確には最近抱いている疑問というのは「そもそもトップページからのナビゲーションって本当にそんなに面積が必要なん?」です。

僕も10年以上前は気に入った情報を提供してくれるサイトの、トップページをブックマークして、ブックマークを巡回して新しい情報を探す、といったネットワークのライフスタイルを行っていましたが、ここ数年間はトップページというのをほとんど見ることはなくなりました。

  • 気に入ったページはRSSリーダーに登録して更新のあったページだけ巡回
  • 気になるキャンペーンサイトもブログや口コミから収集
  • 仕事や生活に必要な情報は検索エンジンから直接。後日もう一度見たかったらソーシャルブックマークに直接登録

こういったスタイルに変化された今、大事なのはパーマリンクであってトップページからのナビゲーションではないと言えば過激すぎでしょうか。

現に、僕はPCパーツを一個ずつ買ってきて組み立てる、いわゆる「自作PC」が好きなのですが、あるCPUメーカーから新しいCPUについてのキャンペーンサイトまで辿るのに、とても苦労しましたし、結局は検索エンジンから直接辿って見つけることが出来ました。

キャンペーンサイトを作る仕事の末端にいる人間として、多角的にお客さんの興味のある事柄を沢山提供したいとおもうのは当然のことなのですが、そのナビゲーションとして「トップページ」は必ずしも優れているものではないかもしれない、そういう時代になってきたのかもしれないなあと思うわけです。

では具体的にどうすればいいか?
例えばこんな商品を売りたいためのキャンペーンサイトを立ち上げるとして
http://www.masamunet.com/page_9

トップページは「職人がUSBケーブラひとすじにがんばっています!」っていうのを一生懸命伝えるページを作っておいて、下の方に「がんばってます!ここまで呼んで下さったのなら、興味を持たれたならよろしければこちらもどうぞ」みたいにメニューを添える、とか。
こんだけテクノロジーがめまぐるしく進化してて、WEBの世界でのトップページのナビゲーションに必要なのって、もしかしたら面積では無くって「誘い方」「導き方」なのではないかと思ったりしたのでした。

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