スーパーハッカソン2013に参加してきたょ…?

スーパーハッカソン2013という、大阪でやってる超おもしろいイベントに参加してきたので、そのご報告。

スーパーハッカソンとは?

詳細はリンク先の公式ページをみていただくとして、

スーパーハッカソン2013とは – スーパーハッカソン 2013 ( SUPER HACKATHON 2013 )

スーパーハッカソン2013は、一週間でテーマに沿った製品/サービスのプロトタイプ(動作するもの)を完成させるコンテストです。

開会式のときテーマが発表されて、それに向けて一週間でどれだけガチなもの作るかを競うという、クリエイター向けの超おもしろいエクストリームスポーツです。

気になる結果は?

私、宇都宮正宗をチームリーダー兼ディレクター兼プログラマーとし、妻頼子をデザイナー兼マネージャー兼アートディレクターとして、「家内制手仕事」というチーム名で夫婦二人で参加しました。
どのチームも震えるくらい面白いプロダクトを(プロトタイプレベルとしては異様なほど完成度の高いレベルで)完成させてきてて、非常に面白くもあり苦しかったのですがなんとか12チーム中5位という点数を頂ける結果となりました。

審査結果 – スーパーハッカソン2013

テーマはひとつ。「○○の問題を解決するための一画面の製品/サービス」
○○の中には自由に問題を入れて良い。
製品は次の三つのいずれかを盛り込むこと。

  • TwilioAPIを使う
  • Windows(8)ストアアプリ 
  • スマホアプリ

この課題に対して私たちの作ったものは次のようなものです。

スライドを見ていただくとわかると思うんですが、手前味噌ですがこのクオリティで点数はちょうど真ん中らへん。
つまり平均点くらいなので、 スーパーハッカソンに参加するといかにクオリティの高いものが生まれるか、よくわかっていただるかと思います。

実際に、優勝作品「はじめる」を含め上位入賞作品は会場で一緒に競ってたはずの僕らでさえファンになってしまうほどのエネルギーがありました。
特に「はじめる」と「ワンダーポート」、「RestCast」「iTel?」のおもしろさには完敗です。
優勝作品、「はじめる」はyoutubeにムービーをアップしてますので、ほんとこれ好きなんで、ぜひ見てみてください。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=CiPwJvYs498

スーパーハッカソンは、1週間という期限の中でどれだけギンギンに自己を高めつつチームでギラッギラのプロダクツを生み出すかを競うエクストリームスポーツ!

ぼくら程度の人間でさえこれだけのクオリティ出せたのも凄いし、ほんとみんなに自慢したいくらいクオリティ高められたので凄く楽しかったし、これで平均点ってことは他の作品のすごさはまじで半端ないし、「大阪からスタープレイヤーを生み出す」という大会趣旨のビックウェーブに少しでも触れられたのが、またいい刺激になって。

必要なのは、参加する勇気。ほんとおもしろかった。

メディア取材も入ってたようで、私たちのプロダクトも紹介していただきました!

大阪からヒーローを生み出すーー1週間でプロトタイプを作る「スーパーハッカソン2013」驚きのサービスたち【追記あり】

もちろん、参加するからには優勝を目指していたので、5位という順位は悔しくないというと嘘になります。
それでも負け惜しみじゃなく自信を持って言えることは、参加すると勝ち負け以上に自分のスキルアップに直接繋がるというメリットがあるということです。

それで私たちの大きな敗因は「私が大会趣旨をよく理解していなかったこと
スーパーハッカソンは、普段デザイナーはデザインだけのアイデアを出して、プログラマーはプログラムのことだけを考えているので、その垣根を取っ払って、「デザイナーじゃないとできない発想でプログラムにアイデアを入れたらどうなる?プログラマーがデザインをするとどんなアイデアが生まれる?」というドキドキを大切にするイベントです。
そこにきて我々は普段からお互いのスキルを信頼しまくって連携して仕事しているので、デザイナーはデザインのクオリティを高めることだけに集中し、プログラマーはプログラミングを堅牢にこなす、普段通りの仕事の質を高める方向でやってしまいました。
クオリティを高める作業でさえ、スーパーハッカソンの猛者たちの前では小手先の技にすぎない。主な敗因はこれに尽きると思います。 

参加して感じたこと。

そうだよ、まさにぼくはこういう交流がしたかったんだよ。と強く思いました。
交流会とか勉強会とか、いろいろと名刺交換させていただく場も多いんですが、どうしても交流が苦手なぼくたち宇都宮夫婦。

WebDesigning誌という業界紙でいつも名前を賑わせているあこがれの制作会社。
SNSでいつも参考になる考え方とか共感を得る仲良しのクリエイター。
若さと才能を秘めている前途有望な学生さんたち。

そんなクリエイター達がヨーイドンで一斉にアイデアをひねって、一週間で完成させたものを審査員に プレゼンしてその点数を競う。
そして最後はお互いの作品を酒の肴に健闘を称え合う。

そう!

まさにそう!

おれがもとめてたのはそういうの!!

スーパーハッカソンの主催者の藤井さんとは、数年前にとある交流会で知り合ってそのごゆるくお付き合いをしていたものの、ずっとSNS上の薄い付き合いでしか無く、その情熱と理想と、それらを成功させるだけのロジックとエネルギーは今回参加してはじめて触れてみたのですが、いっきに藤井さんとそれを支えるスーパーハッカソンのスタッフの方々のひととなりを好きになりました。
こういう有意義な場を与えてくださったスーパーハッカソンのスタッフ皆様に敬意と感謝の気持ちをもちました。 

参加するまでから参加して

なぜぼくたちはスーパーハッカソンに参加したのか?

仕事のことでさいきんちょっと伸び悩んでいまして、「はじまってもいないのにオワコンになるのいやだ!
という気持ちが高まり、「オワコンこわい」という強迫観念から自然と参加ボタンを押してたような記憶があります。

つまり「スーパーハッカソンに参加したらぼくのこのオワコン感がぬぐえるかも!」そう思ったわけです。

なんかちょうど当時のやつが出てきたw

 スクリーンショット 2013 05 19 23 53 21

これの何が面白いかっていうと、このプログラムは物体の慣性の動きに対して摩擦が働いて運動が止まるプログラムなんだけど、それとハッカソンをかけて「完成するまで止まらない!」っていう決意表明だったんだけど、って面白くないですよね。すいません。

土曜日参加初日・開会式からアイデアが固まる月曜日までの三日間

初日はすごい緊張しました。

戦があると聞いて駆けつけた足軽と雑兵が、周り全員厳つい武将達だらけだったときの気分。
 武将の乗ってる馬の鼻息(ノートPCのファン)だけで吹き飛ばされそうです。

「俺たちはここに来て…よかったのかな…。鬼の子と呼ばれたこの俺がよ…!」
エースーー!!!!!

何の話ししてましたっけ?
中学の頃まわりに「高校生5人相手にケンカしたことがある」って吹いてしまい引っ込みがつかなくなったところまでは話しましたっけ?

あ、そうそう、アイデアが出るまでの話でした。

土曜日に開会式があり、実際にアイデアが固まるまで土日月と三日間かかったのですが、この三日間が一番苦しかった。 

ボツネタをいくつか。

  • 沖縄の遺跡が階段にしてはでかすぎる問題を解決するアプリ
    • 階段があるから古代文明だ、って階段にしてはデカいよね…。古代人は巨人族だったってのもちょっと苦しすぎるし…。かといって階段とか人工物に見えるけど実はタダの自然の造形物でしたってのもロマンがなさすぎる…。なんとか古代文明にこじつけられるアプリをひとつお願いします!
    • なんとか階段が大きくなければならない理由をこじつければ解決!
    • わけがわからないのでボツ。
  • 露出狂の痴漢にでくわしてしまったときの問題を解決するアプリ
    • いたいけな女性の前にチンチンを露出させるという卑劣な犯罪!ゆるすまじ!
    • いたましい事件ではあるけど、もうすでにポロっと出ちゃったものは仕方ないんで、それをプラスに繋がるように持っていこう。
    • チンチン一本出るたびに、アフリカにワクチンが一本届くアプリなんて作れないだろうか。チンだけに。
    • 大阪の街の片隅で、チンチンが露出されるという痛ましい事件が起きている一方で、地球のどこかでワクチンが届いてハッピーが生まれるって、すごくいいことだよね。
    • 変態がいいこと言ってる感じがむかつくのでボツ。

なんかこう、理想だけが先に立ってしまって本当に実現できそうなものが生まれない。
スーパーハッカソンで求められるのは、素人の大喜利ではなくて実現可能な夢を一週間で形にしてみんなの目の前に見せつけることなはず! 
だめだ…アイデアの段階でぜんぜん沸かない…オワコンオワコン…。 

「俺たちはここに来て…よかったのかな…。鬼の子と呼ばれたこの俺がよ…!」
エースーー!!!!!

だいたいエースにそんなセリフねえだろ。

スーパーハッカソン開催期間中は他のチームの進捗状況も連絡し合って公式サイトに載せるのでわかるんですが、周りが着々と開発を進める中で、自分たちだけがアイデアさえ出ずに進捗0%ビタ止まりが数日続いて本当に苦しかったです。

あとは私がいま画像解析のスキルを勉強中でして、アンパンマンくらいなら独自で認識できるようなプログラムなら一週間もあれば書けるようになってきていたので(逆に言うとぼくみたいなへたれプログラマーでも解析プログラムが作れちゃう、アンパンマンのわかりやすさってのは本当にすごいと思います)、アンパンマンを認識して何かするようなアプリが作りたかったんですが、そこからワクワクするアイデアに発展しなかったので一旦ボツにしました。

それと、日曜日あたりに調べてみてtwilioAPIの面白さに気がついたんで、この実際の電話と絡められる技術はぜひとも使いたいと思い、twilioAPIを中心にアイデア出しをしていました。
 GPS情報と絡めて、チェックポイントに到着すると電話がかかってきて次に向かう先が伝えられるという、スパイ映画とか誘拐事件で使えそうなアプリを思いついたんですが、それオリエンテーリングじゃんということでこれもそこから発展せず。

結局のところ、日曜日くらいにちょっとだけ出てた防犯カメラアプリの案を、月曜日にもう一度揉み直して、「これならぜひ作りたい!」と思えるレベルまでアイデアを磨き上げて火曜日から制作作業に取りかかることにしました。

火曜日、水曜日は実装期間。このとき良くも悪くも方向性を見誤る

アイデアが固まってからの実装作業は速いものでした。
最初のアイデア出しで時間を充分にかけてたぶん、作るべき形が見えていたのでそこは迷い無く。

技術としては、サーバーサイドにFuelPHP、iOSとAndroidアプリにはAIR(つまりFlash)、デザインはFireworksで作っています。
PHPにFlashにFireworksと、どれも嫌いな人は大嫌いな技術なんですが、我々が今もってる技術の中でいちばん生産性の高いものなので大いに役に立ちました。 

アイデアが決まっていざ作り始めようとする火曜日に、二人で近所のインド料理屋のランチに行きました。

「今回作るアプリって、ワンボタンしかない単純明快なUIでいいと思うんだけど、それだけにデザイナーがこのスーパーハッカソンで優勝に貢献できる仕事ってなんやろう?」
「う〜ん…」
デザイナーである妻が尋ねてきたとき、私はこう答えてしまいました。
「ちょうど今Twitterで進撃の巨人ポスターが流行ってるやん。(進撃の巨人ポスター)遊びでやってあのクオリティ!!そりゃ話題になるよね。 スーパーハッカソンでも、一週間でこのクオリティ!って圧倒するくらいに仕上げられれば、少なくとも誰かの心には刺さると思う」

ぼくのこの助言が、良くも悪くも今回のプロダクトの方向性を決定してしまったのですが、悪い点から行くとこの段階で大会趣旨を間違えてしまい優勝の目は消えていました。デザイナン(ナン食べ放題なだけに!)がプログラミングと密接に関わるナイスアイデア…。答えは見えていたはずなのに…。
ただ、悪いことばかりでもなく、単純なアイデアを質で圧倒させようという方向性を決めることができて(あくまで方向性。本当に圧倒できたかどうかは別ですが)、結果的には日常業務としてたった二人で大手広告キャンペーンサイトや大規模開発を請け負っている自分たちの生産性の高さをアピールできたのでそこはよかったと思います。

木曜日、金曜日はプレゼン資料作成

水曜日には成果物はほぼ完成が見えてきていたので、このへんからプレゼン資料作りに取り組みました。

正直、今までプレゼンとかって嫌いでして、恥ずかしながら「クリエイターは制作物で語ってナンボ。プレゼンは営業のプロフェッショナルに任せればいい」とか一見正論に聞こえるんですがナマケモノのたわごとみたいなことを周囲にブチ巻いて失笑を買われてそれでも生きていけるやさしい社会の中だけでぬくぬくとやっていけてたのですが、今回は二人だけしかいないので苦手でも何でもプレゼン資料を作らないといけない。

会場には参加者と関係者あわせて100人くらいいるはずだから、100人相手に10分プレゼンをすると言うことは一人の時間を1000分(16時間半)も奪うのと同じということ。
自分の勝手だけで苦手とも言ってられない状況だったので、このプレゼン資料作りには苦しみました。

プレゼンで舞い上がってしまって、「あの…その…」とか迷ってしまっては聞いてるほうが不安になってしまう。
100人もの人達を10分間不安にさせてしまってはいけないので、プレゼンをスムーズに進めるためにはとにかくバカに見えようともセリフ読み上げマッシーンに徹したほうが良い、と思ってプレゼンのセリフをまず全て文字で起こしました。 

そうするとまあ、長い長い。あれも伝えたいこれも伝えたいでまとまらない。
10分におさめるためには、ほとんどを削らないといけないんですが、これも知って欲しいしこんなことも言いたい。でどれひとつとして削れない。
もしわかりにくいと不親切だ、この説明も入れなくちゃ、と長くなる一方。
さてどうしよう…。

そこで広告系クリエイティブで大切にしている言葉を思い出しました。

伝えたいことを伝えていては三流。相手が知りたいことを伝えるようになって一流

これをプレゼンにもあてはめて、まずはこっちが伝えたいという気持ちをばっさり斬り捨てる。そして聞いてる人達が知りたいことはなんだろうと想像しながら書くようにしました。
これでなんとかまるまる二日かけてセリフ原稿を10分に収めることができました。

セリフが出来上がったので次はスライド作り。セリフから文字を起こしてスライドに入れていきます。
それをスライドのひな形としてデザイナーに渡して、デザインしていくという作業。
デザイナーに渡した時点で金曜日の夜。
あとは妻がよなべしてスライドをいい感じにこしらえてくれるので、おれはビールでも飲んで寝よう(鬼畜の所業w)…。

が、デザインされたスライドが恐ろしくつまらない! 

背景が統一されてて、ヘッダーがあってフッターがあって、セオリー通りなはずなんだけど全然面白くない

このままではプレゼンで退屈させてオワコン化して帰ることになる。いやだ!オワコン怖い!

ということで、金曜日の夜中2時の時点でスライド作りのやり直しを命令。
真夜中までビール飲んでる旦那に隣からダメだしされて作り直しを命じられたときの妻の気持ちたるや!
恐ろしかったのでぼくは別室に逃げました(最低のリーダーシップ)。

スライドを見ている人に、雑誌をめくるような楽しさを感じて欲しかったのでとにかく大量のフォトで視覚情報に訴えることに。
ひとりでビール飲んで夜中にダメだししてフォトを大量にいれとけと勝手な指示だして別室に逃げて寝た旦那を尻目に怒りをこらえながら徹夜でスライドをこしらえた妻は本当によくやってくれました
朝起きてみるとみごとなスライドが完成。おお!これで勝つる! 

さいごに

プレゼンの順番はくじ引きでトップバッターでした。
プレゼンそのものはもうセリフ読み上げマッシーンに徹している事に決めていたので、この順番はラッキーでした。 
 結果は5位でしたが、お行儀の良い言い方ですが誰に負けててもおかしくない力作揃いの中でこれだけの位置に入れたのはすごく嬉しいですし、一番最初にプレゼンをやり終えたのでほかの方々の作品発表を楽しむことができました。

しばらくイベントから遠のいていましたが、久しぶりに参加した有意義なイベント。主催者の藤井様とスタッフの方々、会場を貸していただいた大阪市の方々や関係者の皆様に深く感謝します。

そしてイベント中一週間もの間、仕事に集中できるように全くぐずらずにがんばってくれたまだ一歳の子供にもありがとうを言いたい。
親の仕事の都合で、大切な我が子を保育園にあずけて、 親子の大切な時間を犠牲にしてまで二歳にも満たない小さな子と離れてしまって良いのか、私たちはいつも自問自答しながら仕事しています。
そんな親に心配かけないよう、いつも笑顔で保育園に行ってくれる元気な我が子。この子のがんばりが無ければ私たちは一週間やりきることは不可能でした。

そんな感じです。いつにもまして記事が長くなったけどいいよね。ここは自分が書きたいことを書くためだけの場所。 

たった一週間で驚くほど大いなるスキルアップにも繋がったので 、いつかはおれも優勝したい!

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