正宗です。先日大阪イノベーションハブで行われたハッカソン大会、第二回ものアプリハッカソンに参加してきたのでその様子をご報告します。
CNETでも取り上げて頂きました。大阪に芽吹くイノベーションの意志–大阪市が「第2回ものアプリハッカソン」を開催 – CNET Japan
なんか最近ハッカソンよう出とるね、と思われるかもしれませんが、楽しいですね。ハッカソン。
実際に参加してみてその面白さがわかりました。
ですので前回のスーパーハッカソンに続いて2回目のハッカソン参加。
特に面白いのが、優勝チームを決めるというところ。
ハッカソンの目的はもしかしたら「実際に製品を作り出す、または作り出す人材を育成する」 ということのほうが大きくて、せっかくだから出来たモノみんなが一等賞ではつまんないし順位付けでもするか、くらいの位置なのかもしれませんが、実際に審査員をお招きして優勝者を決めるという、この要素が非常に自分の気持ちをわくわくさせてくれます。
僕の大好きなマンガのひとつに「将太の寿司」っていう作品があるのですが、ハッカソン大会はまさにこれ。
大会で発表されるテーマについて各自一週間死力を尽くして成果物を作りだしそれをコンテストするのです。熱い。
もともと私は勝負事が好きなほうではないのですが、中学高校と特に部活動も熱心に行ったわけでもないので、こういう競技大会みたいなものが新鮮に感じるんだと思います。
さて気になる結果ですが、我々のチームは残念な結果となりました。
勝負には敗れたものの、成果物については実際に製品化に向けて開発中、というより開発中の流れに持って行こうとしている動きがあったりしているので、詳細なレポートは控えておこうと思います。
私は一介のソフトウェアエンジニアとしてチームに参加しましたので、自分個人の物作りとは違うというのも、今回の作品作りには触れないという理由にあります。
そのかわり、今回はものアプリハッカソンを通じて学んだ、ものづくりについて書いていきたいと思います。
なぜ参加したのか。実際に触れるモノをつくるということ
今後デバイス作りに挑戦していきたいから。これに尽きます。
私がWEB系プログラムに初めて触れてから15年以上たちます。もともとは作ったものが一瞬で世界中に発表される、便利なモノが双方向にいつどこでも取り出せることが強みであったインターネットの価値が徐々に逆転してきてて、相対的に「そこにしかないモノ。そこに行けば触れられるモノ」の価値が高まってきています。
私が得意としている、広告キャンペーン系WEBコンテンツ制作でも、ふだんは面白いWEBコンテンツを作っていつでもどこでもユーザーに楽しんでもらう形で集客を図るもの作りが主力ですが、最近ではそのときその場所でしか体験できないことを企画して、実際に見て触れて体験してもらう、わざわざ足を運んでもらう、巻き込まれてもらう、そんなコンテンツ作りが主流になってきました。
私は、これを原点回帰ではなくてウェブの進化だと思って、挑戦的にとらえています。
ものアプリハッカソンでは、この私の「デバイス作りに挑戦していきたい」という欲望に見事にマッチしたわけなので、なんと無謀にもソフトウェアエンジニアとして参加しました。Flash好き好きFlasher野郎が、AIR for Androidを使えるというスキルだけでハードウェアとコラボしたいこの無謀な挑戦。
応募してから開催するまで、そして開催期間中ずっと、心の中で「出来ることだけやってたんでは次が来ない…。自分で決めてしまった限界を超えないと… 。出来ることだけやってたんでは次が来ない…」とブツブツつぶやいて自分に言い聞かせていました。
実際に参加してみて
私自身が、スーパーハッカソンに続きハッカソンの経験が二回目ということもあり、実際に参加して最初の期待通り、たいへん多くの経験を積むことが出来ました!
賞の結果としては残念なものになりましたが 、得るものは大きかったです。
ひとつだけ欲を言えば半田付けがしたかった。うちのプロダクトは割とすいすいとマイコンのソフトウェアだけで完結できてしまったので。
今回、ソフトウェア領域の方の参加が少なかったと聞きましたが、WEB系エンジニアさんはこれを機会にぜひハードウェアとのコラボを体験することをオススメします!
最近Flasherもだいぶデバイスいじりしているようだし。
いちおう自分の担当したアプリについて
先にも書きましたように、私はソフトウェアエンジニアとして、Androidアプリを作りました。
制作環境はもちろんFlashです。
アプリに関しては、自分の責任において作ったものなので、ここはこうするべきだった、ここはこだわったというようなことが書けるので、このブログを読んで次回の参考にしたい方のためにもせっかくなので載せておきたいと思います。
こんなの作りました。
デバイスと通信してリアルタイムに文字を表示して、キーワードをハイライトさせるという機能を担いました。
いろいろとこだわったところ。
- せっかくFlashで作るので、動きにはこだわりたかった。
- かといって無駄に派手な動きをつけてしまうと、主役であるデバイスよりも目立ってしまう。デバイスのコンテストである以上、審査員に無駄に注目ポイントを作るようなことだけはしたくなかった。
- なのであくまでデバイスを見てもらうための添え物のような位置づけで、完成度を追求。デバイスより目立たないが、アプリは未完成という印象を与えないために。
- 面白くてわかりやすくて親しみやすいUIにはそれなりにこだわったつもり。
反省点。
- コンテストのプレゼンで使用する以上、トラブルからの復帰方法はもっと作り込んでおくべきだった。どういうことかは以下に記述。
- もともとプレゼン中に接続して使う想定で作っていたので、プレゼン直前に最初から接続して用意しておくことになった使い方に耐えられなかった。
- つまりプレゼン直前に接続しておいてしまったので、実際に動きを見せるときには接続がタイムアウトしていた。
プレゼンで動作するソフトウェアはその場一回きりしかチャンスがないので、とにかくトラブルからの復旧方法は入念に作り込んでおくべきです。
もちろん今回もほとんどのトラブルに対応出来るように作っていたのですが、技術者の想定と違うトラブルに見舞われてしまったので会場で自分のアプリが動作をお見せできなかったのは残念で仕方ありませんでした。
この文章からにじみ出る「オレはちゃんとやったけどそれ以上のことが起きてしまったので仕方なかった感」も書くのがいやなのですが、とにかくプレゼンで使用するソフトはトラブル対応こそが命だと肝に銘じたいと思います。
チャンスは一回きり。そこで動かなかったら、これほど意味のないことはないので。
作ったものがプレゼンで動かない。自分のやった一週間がすべて無駄になることに等しいので、そこはしっかり気を付けるべきだと思います。
アプリケーションの内部動作としましては、特に難しいこともなく、デバイスとXMLSocket通信を行っているだけです。
デバイスの担当者さんは2人いたんですが、お二方ともとても頼りになる技術者でして、お世辞でも何でもなくぜひぜひぜひにと今後もいろいろお付き合い願いたいです。
さいごに
ちょうどタイムリーにこういう記事があったり
最近、ネット業界で大阪が避けられてるのは何でだろうね?【連載:村上福之】 – エンジニアtype
賛成も反対も、いろいろ考えることあるわけですが、ぼくは好きです。大阪。
いつもいろんなところで変人扱いされてたけど、ここだと頼りにされる。仕事くれる。仲間も見つかる。
だからしがみついてるというわけでもないんですが、まあ、この話しは長くなるのでこのへんにしておいて。
アイデアソンから開催期間中お世話になったGOB-Labの方々、
審査員の皆様、
そして参加者の皆様、
ふだんのWEBコンテンツ制作業務では味わえない、モノを作るという情熱に触れることが出来て大変勉強になりました。
ありがとうございます。
特にハイライトシャッターと共感ロボは最初から優勝候補だと思っていましたが、 出来てからの威力が凄まじかったです。
ハイライトシャッターの「センサーからのトリガーを数値化するんじゃなくそこはカッコイイ写真で自慢できる」考え方。
共感ロボの、ロボットが共感しちゃう星新一感。そしてセンサーロボを実際に作る無理矢理感。
最高です!!!!
そしてできたばかりの大阪イノベーションハブは、 「世界に通用する人材をここから輩出する」という使命を担ってて面白いです。
行政が支援して世界に通用した産業って、浅学の私の知識では自動車と家電くらいなもので、そのやり方がITに通用するの?っていう懐疑的な見方もあるにはあるんですが、職員の方々のチャレンジングな精神は、とても刺激的で楽しくて、一介のWEB系制作屋としても応援したくなります。
なんかそんな感じの一週間。面白かった。