ちょうど先日ヴィジョントラックさん主催の「冬のweb☆クリエイター勉強会」に出席した際、「逆吹き替えカラオケ」ができるまでの企画面についてお話させていただきました。
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●なぜ口元だけ合成させたのか?
・一部だけリアル合成って逆にキモい
昔流行ったパロディ映画「親指タイタニック」。アゴだけでものまねをする芸人「HEY!たくちゃん」。顔全体でなく一部だけ合成するとまた別の新しい表情が生まれてオモシロ気持ち悪いという発見。
・みんな結局自分が大好き!→自分で遊ばせよう!
今まで巷で流行ったコンテンツ「脳内メーカー」、「顔ちぇき」、「モーションポートレート系」…紐解いてみると、みんな会話(またはブログ)の中で自分の話題にもっていけるツールは大好き!
近頃私たちはこの結論を下に、自分をネタにできるコンテンツに注目しています。
・個人を特定しにくいコンテンツ
「とはいえ自分で遊ぶのはいいんだけど、それがWEB上で公開されちゃうのはちょっと…。」これはユーザーもクライアントも共通して及び腰になってしまう点です。
ここで“目元を隠す”とどうでしょう?
例えはアレですが風俗店の看板を思い出して下さい。笑顔で全裸になっちゃってる女性。他は手で覆わず目元だけばっちり隠していますよね。
このように人は目元を隠すことによって個人が特定されにくく、なおかつ恥ずかしさも軽減され大胆にもなれるものなんです。これは仮面舞踏会で恋の駆け引きを楽しむ女性の心理状態にも似ていることから以後「仮面舞踏会の法則」と呼ぶこととします。(*これ以後一切出てきません)
●なぜカラオケなのか?
・ユーザーってすごく不器用
「自由にお絵かきしてね」「フキダシに好きな言葉を入れよう」今まで様々なタイプの自由に遊べるコンテンツを制作してきたのですが、その度気付かされる事があります。
それは制作側の期待に反して、白紙状態のゼロのものから自由に創造し楽しめるユーザーというのは本当にごくごく一部だということ。
制作側としては「せっかく作るのだからアレもコレもできるように…」とつい欲張ってしまうところなんですが、私達はあえて自由度をなくすことで、誰もが気遅れすることなく気軽に楽しめるようなシンプルな構造を心がけています。
・とにかく口を動かしてもらわないと楽しさが伝わらない
上記のことから今回も「自由に喋ってネ!」では誰も楽しんでくれないだろうという結論に至ります。
かといってアテレコのように予めこちらでセリフを用意して喋らせる、これも唐突すぎて抵抗がありそう…。
言われるままに口を動かすことに抵抗がないシチュエーションってなんだろう…?
⇒カラオケじゃん!!
こんな感じで、ああでもないこうでもないと会議室(≒居酒屋)で夜な夜なミーティングを繰り返し、「逆吹き替えカラオケ」は出来上がりました。
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※おまけ
ここまで愛をこめて考えた「逆吹き替えカラオケ」なんですが、口元をカメラに合わせる部分が超アナログ…
実はこの仕様の以前に「顔認識させて、自動的に口元に追従させたらいいのでは?」という案がありました。その実験コンテンツが「家庭教師のトライをFlashで試してみた」だったわけです。
今回はカラオケの音楽に遅れることなく顔に追従できなくては意味がないということで、結局アナログな方法を取りました。ユーザーにアクションさせるという意味では「自分で頭をいい塩梅の所に動かしてね」という仕様は、傍から見ると滑稽で気に入っています。